〜 研修のあり方とは 〜
(一般社団法人東京環境保全協会「東環保」182号、令和6年8月1日発行から)
令和6年度事業計画
令和6年度は、当研修センターの基本方針に基づき、区民対応、非行防止、事故防止等の基本テーマに沿って、初任研修・更新研修を実施していきます。
また、管理監督者研修では、運行管理者の教育を重点課題とし、会員各社における実践的な指導体制の確立を目指し、積極的な取り組みを行ってまいります。
さらには、外国人就労者が増加している状況に対応するため、各種外国語による研修教材を充実させるとともに、研修の実施方法についても検討を進めていきます。
令和6年度研修計画
● 初任研修
新規従事者を対象とした実務的な研修です。
非行防止・安全運転・安全作業・区民対応など、公共事業に従事する上で基本的かつ重要な内容となっています。
今年度も、年間11回の実施を予定しています。
また、非会員については、別途日曜日に数回実施する予定です。
● 更新研修
初任研修及び更新研修を受講して3年以内の者を対象に、作業上の注意点などの再確認を目的とした研修で、事故事例やクレーム事例を分析するなど、より実践的な内容で行います。
今年度は、会員50社のうち13社を対象として出張及びビデオ研修で実施します。
● 専門研修
会員各社の課題解決に資するテーマを選定し、より実務的な研修を実施しています。
今年度は、メンタルヘルスに関して理解を深めてもらうことを目的として、外部講師によるメンタルヘルス研修を予定しています。
● 管理監督者研修
管理監督者を対象に、各社における清掃事業従事者への指導能力や、管理監督者としての資質向上のための研修です。
「安全運転管理に関する事業者としての責務」について、運行管理者を主な対象者とした研修を実施します。
今年度は、グループ討議など参加型の研修とする予定です。
● 経営者研修
人材育成・労務問題など、経営者としてのスキルアップを目的とした研修です。
経営能力の一層の向上を目指し、実効性のあるテーマで実施します。
● 交通事故防止特別研修
東京環境保全協会安全推進委員会と連携し、事故惹起者に対する再発防止を目的とした特別研修を実施しています。
本研修では、自分の運転の傾向や自分自身に潜む危険を認識し、さらには安全運転の心構え等の再確認をすることが目的です。
今年度は第1回を5月21日に実施しました。第2回は秋に実施する予定です。
その他の研修等
● 社内研修支援事業
初任研修のように、研修センターに集めて行う必修研修ではなく、会員各社がそれぞれ自社の実態に応じた内容で、業務終了後集合研修を行っています。その際、希望があれば研修センターの講師が出向いて講義をすることもあります。
また、ここ数年コロナ禍の中、初任研修受講者が減少していたことから、未受講者の早期解消を目的に、講師を対象会社に派遣し、七月までの期間限定初任研修(特例措置)を実施しました。
● 運転技術向上のための実技研修
令和5年度に引き続き、運転技能に関する指導を充実させることを目的に、運転技能実技研修の実施に向け、外部の専門機関の活用も含め具体的な検討を行います。
● 優良従事者認定制度の実施
優良従事者認定制度については、当センター開設当初に発行した修了証の更新作業が令和6年度後期に始まることから、規程整備を進める等など所要の準備を行い今年度から実施します。
〜 コロナ後の安全教育 〜
(一般社団法人東京環境保全協会「東環保」181号、令和6年1月4日発行から)
1 研修実施状況
● 初任研修
新規従事者を対象とし、原則月1回、平日に実施する研修です。
新型コロナウイルスの感染者数が減少する状況を受けて、受講者数が増加し、11月までの受講者数は305人となりました。
また、毎年実施している短期従事者向けの初任研修(日曜日開催)を7月に実施し、25人が受講しました。
一方、コロナ禍での人手不足が影響して、初任研修受講時の代替要員確保が困難だったこともあり、初任研修未受講者が増加しています。このため、10月から出張研修とビデオ研修を組み合わせた初任研修特例措置を実施し、早期の未受講者解消を目指していきます。
● 更新研修
初任研修及び更新研修を受講後3年以内の方を対象に、直近の事故やクレームの事例をもとに、運転及び作業上の注意点などの再確認を目的として、会員各社で業務終了後に実施しています。
今年度は、20社が対象となっており、計画的に実施している状況です。
また、初任研修と同様に、毎年実施している短期従事者向けの更新研修(日曜日開催)を10月に実施し、77人が受講しました。
● 専門研修
今年度は、昨年度会員各社で発生したトラブル事例をまとめたトラブル事例集を使って、実際にトラブルが発生した場合の対応策及びトラブルを未然に防ぐための対応策について、各社の管理職等を対象に7月に2回実施しました。
今回の研修では、演習問題のいくつかの問いに受講者が解答することで、自らの対応能力を確認することができたのではないかと考えています。
今後も、このような参加型の研修を実施していきます。
● 管理監督者研修
今年度は、運行管理者の実務に関する研修を計画しています。特に、貨物自動車運送事業者として実施すべき業務等を中心に実施する予定で、実施時期及び内容について、今後検討していきます。
● 経営者研修
今年度は、東京環境保全協会の経営セミナーが開催されるということで、経営者研修を10月に実施しました。
今回は、7月に専門研修で実施した「トラブル事例研究」をテーマに、実際にあったトラブル事例を題材に、刻々と変化する状況に適切な判断を下し、どのように対応するかについて、各社の経営者に考えてもらうという参加型の研修として実施しました。
● 交通事故防止特別研修
東京環境保全協会安全推進員会と連携し、事故惹起者に対する再発防止を目的とした特別研修です。
この研修では、性格診断による運転傾向を知ってもらうとともに、実際の事故映像を見ながら交通事故が発生しやすい状況を再確認し、安全運転を徹底するよう指導しています。
今年度前期は5月、後期は11月に実施しました。
● 社内研修支援事業
今年度は、すでに4年前の実施状況に戻り、会員各社から積極的に申し込みがきています。実施内容の多くは、交通事故・作業事故防止で、直近に発生した事故事例をもとに、ドライブレコーダーの映像を使って研修を実施しています。
実際に映像を視聴した受講者は、自分なら事故を防げたかについて考える機会となったとの意見があり、今後も事故映像などを使いながら、交通事故防止対策を徹底していきます。
2 今後の検討課題
研修センターでは、今後予想されるさらなる人手不足に対応するため、新たな研修方法について検討しています。
具体的には、ビデオ研修やオンラインによる研修の有効性についてです。
今年度、AI自動音声ソフト(AIアナウンサーなどで使用)を活用して試験的にいくつかのビデオ教材を作成し、提供を開始しました。
今後は、受講者及び会員会社の負担軽減のため、ビデオ研修等を活用した効果的な研修の実施方法について検討を進めていきます。