研修のあり方
(一般社団法人東京環境保全協会「東環保」184号、令和7年8月1日発行から)

令和7年度事業計画

 令和7年度は、当研修センターの基本方針に基づき、事故防止、区民対応、非行防止等の基本テーマに沿って、初任研修・更新研修を着実に実施していきます。
 また、管理監督者研修では、運行管理者の教育を重点課題とし、会員各社における実践的な指導体制の確立を目指し、外部講師の活用など積極的な取り組みを行ってまいります。
 その他、昨年度実施した外国人労働者の就労状況等調査の結果をもとに、各種外国語による研修教材を充実させるとともに、研修の実施方法についても検討を進めていきます。

令和7年度研修計画

● 初任研修
 清掃事業の基礎知識、区民対応、非行防止、安全運転・安全作業等の実務的知識について、年間の実施計画に基づき実施します。
 今年度も、会員を対象に原則月1回、年間11回の実施を予定しています。
 また、非会員については、別途日曜日に数回実施する予定です。
更新研修 
 初任研修及び更新研修を受講して3年以内の者を対象に、直近の法律及び条例などの改正や区の作業方法の変更をはじめ、事故事例やクレーム事例を参考にした作業上の注意点などの内容で実施します。
 今年度は、会員50社のうち17社を対象として出張研修及びビデオ研修で実施します。
管理監督者研修
 
管理監督者を対象に、各社における清掃事業従事者への指導能力や、管理監督者としての資質向上のための研修です。
 今年度は、中・上級の運行管理者を対象として、経験年数の短い運行管理者の指導育成方法や、運行管理者同士のコミュニケーション手法について学びます。
● 専門研修
 今年度は、メンタルヘルスに関して理解を深めてもらうことを目的として、外部講師によるメンタルヘルス研修を実施します。また、東京都における条例の施行に伴い、業界としての「カスタマーハラスメント」対応マニュアルを作成し、これに基づき会員各社が行う従事者教育のための研修を実施します。
● 経営者研修
 人材育成や労働問題など、経営能力の一層の向上のための研修です。

 今年度は1テーマ実施予定です。
交通事故防止特別研修
 東京環境保全協会安全推進委員会と連携し、事故惹起者に対する再発防止を目的とした特別研修を実施しています。
 今年度は第1回を5月21日に実施しました。第2回は秋に実施する予定です。

その他の研修等

社内研修支援事業
 会員各社がそれぞれ自社の実態に応じた内容で、業務終了後集合研修を行っています。その際、希望があれば研修センターの講師が出向いて講義をすることもあります。

★優良従事者認定制度がスタート

 研修センターでは、令和6年9月から優良従事者の認定を開始しました。この制度は、東京二十三区においてごみの収集運搬に従事する運転手及び収集作業員を対象に、交通事故、作業事故の有無、運転または収集作業に関するクレームの有無、無断欠勤や遅刻の有無などのデータをもとに会員各社において評定を行い、勤務成績の良好な方を優良従事者として認定するものです。
 この優良従事者認定制度の目的は、研修センターが実施する初任研修及び更新研修を受講後、その履修内容をよく理解してこれを実践するとともに、良好な成績で勤務している従事者を優良従事者として認定することにより、「事故ゼロ、クレームゼロ」の目標達成に向けてすべての従事者の行動意識を醸成することを目的としています。
 優良従事者の認定にあたっては、会員各社において3年に1回実施している更新研修実施後に、その受講者を対象として評定を行い、優良従事者に該当する方のうち初任研修受講後10年以上経過などの条件に該当した方には、顔写真を印刷した優良従事者証と記念品をお渡ししています。
 また、初任研修受講後5年以上10年未満等の条件に該当した方には、初任研修受講を証明する修了証に優良従事者シールを貼付しています。

〜 人材不足時代の人材教育
(一般社団法人東京環境保全協会「東環保」182号、令和7年1月4日発行から)

研修実施状況

● 初任研修
 本来、非行防止・安全運転・安全作業・接遇など、より実務的な内容となる研修を、新規従事者を対象とし、原則月1回、平日に実施する研修です。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響等を受け、ここ数年受講者が減少していましたが、現在では毎月安定した人数の受講者を受入れています。
更新研修
 初任研修及び更新研修を受講後3年以内の者を対象に、作業上の注意点などの再確認を目的として、業務終了後に実施しています。
 令和6年度は、13社が対象となっており、概ね計画通りに実施できている状況です。
 また、更新研修についてはAIによる自動音声を用いたビデオを作成し、研修当日の欠席者を対象に、有人で行う講義とほぼ同じ内容を提供できるようになりました。
専門研修
今年度は、メンタルヘルスに関して理解を深めてもらうことを目的として、外部講師を招へいして実施する予定です。
管理監督者研修
 運行管理者のレベルアップを重点課題とし、会員各社における実践的な指導体制の確立をめざして運行管理者研修を2回実施しました。
 6月は運行管理者の基礎となる安全運転管理の重要性に関する研修を実施しました。
 10月には「運行管理者研修その2」をグループワーク形式で実施しています。 新型コロナウイルスの感染拡大があったことから、受講者が対面するグループワークは5年以上実施していませんでした。
 これまで、多くの方から他社の運行管理者と意見を交わせるような研修をやってほしいという要望をもらっていたこともあり、今回のような演習型の研修は良い機会になったのではないかと感じています。
 自社で交通事故が発生した時に運行管理者としてやらなければならないことを、同じグループの人たちと深く分析していくことで、自分とは全く違った考え方、やり方等に触れ、新しい気づきを得ることができたのではないでしょうか。 今回、研修受講者に、研修の実施方法(形態・時間帯・回数など)についてアンケート調査を実施しました。
 各社の運行管理者は、長時間持ち場を離れることができず、研修を受講したくても出来ない人が多いのが現状です。だからといって、そのままにしてあきらめるのではなく、少しでも多くの人が受講できるような研修スタイルを今後も模索していきたいと思っています。
交通事故防止特別研修
 東京環境保全協会安全推進委員会と連携し、事故惹起者に対する再発防止を目的とした特別研修です。
 令和6年度後期は、11月19日に実施しました。
 今回は残念ながら、人身事故の発生がこれまでと比較するとやや多く、それだけ受講者が増えてしまいましたが、事故惹起者以外の受講申込みも多く、各社の安全運転に対する意識が高まっていることを強く感じました。

 この研修をきっかけに、より安全運転を心がけていただき、すこしでも交通事故をおこさないようにしていただきたいと思います。
● 経営者研修
 人材育成や労働問題など、経営者の経営能力の一層の向上を目的とした研修です。今年度は、1テーマを実施する予定です。
●人権啓発研修
 会員各社の管理監督者等を対象に、人権問題について幅広く理解を深めることを目的として、3年に1回程度実施しています。
 令和6年度は、休止となっています。
外国人就労者向け研修教材の充実
 現在、外国人の新規従事者に対しては英語版の教材を使用していますが、実際の研修内容に準拠していないことから、講義内容に沿ったものに再編集する予定です。

 また、英語圏以外の外国人就労者の増加を踏まえ、ニーズの高い言語への翻訳についても検討を行っていきます。
社内研修支援事業
 初任研修及び更新研修の内容をより深く理解してもらうため、会員各社の要望に沿った内容で業務終了後に実施します。
運転技能向上のための実技研修
 運転技能に関する指導を充実させることを目的に運転技能実技研修の実施に向け、具体的な検討を行っていきます。